2022年12月2日金曜日

グレードって難しい。

グレード議論も難しい話ですよね。
ジムでも岩でも。

なんだか最近グレードについて色んな話に触れるのでここは一ついま時点で僕が感じている個人的な意見を文章にしてみようと思います。
あくまでも僕ー個人の意見としてなので悪しからず。

そもそも、グレードとは何なのかってなりますよね。
これすらも解釈が色々あるかと思いますが、僕はその課題を構成する見た目、シークエンス、下地やなんやかんやの要素の中で主に難易度に焦点を当てた指標だと思ってます。

では誰にとっての指標なのでしょうか?
これは、クライマー全体にとっての指標なのだろうと思います。
仮に初登者だけのため、ないし完登者だけのためなのであればそもそもグレーディングという行為は不要な気がするのです。
というのも、初登なのか再登なのか、ソロなのか人がいるのか、リハーサルしたのかしてないのか、岩の状態や天候もですし、選んだムーブはなんなのか等々その時々の状況により感じる難しさってのはある程度の変動があるのは当然と思います。簡単に感じた人も、難しいと感じた人もきっといることでしょう。それぞれが別の感じ方をしているはずですし、そうなるともはやグレーディングの意味が薄れてしまいますよね。
では誰に対してグレードというものをつけているのか考えてみるとクライマー全体に対してではないのかなと思うわけです。

であるならばグレードというのは一般的なものであるべきだと僕は思います。
最大多数が納得できて、平均的に登った人からこう感じられてるグレードというのがつけられる方がそもそものグレーディングという行為の意味に沿うように思うんです。


つまりリグレード肯定派なのですが、これにはサンプルがそれなりに必要なんだろうと思います。
そもそも曖昧な指標ですからそれぞれの感じ方があるでしょうし、意見が出てくるからこそ簡単になるにしろ難しくなるにしろ、より平均値化されていくものだと思います。

では誰がそれを決定するのでしょうか?
グレードが変更されるもしくはされないという最終決定が初登者の独断に依存するのは僕は少し変な気がします。
何かしらの判断材料をもって検討がなされた結果なのかもしれませんが、それは初登者が確認のために再登したとかではない限り他人の経験によるものでしょうから、初登者の持つ感覚というのは自らの経験に基づいた初登時のグレードが適切ということになるのでしょうが、そうなってくるとかなり色濃く初登者の意見に寄ってしまうので、これもまたグレーディングというも行為の意味合いが薄れるような気がします。
個人的には、往々にして初登時ってのは悪く感じるものだと思ってます。
初登ってタイミングだとアリやザトウムシが悠々と登っていく様を眺めながら、そもそも人類に出来るんだろうか?って考えるところから始まるうえに、ホールドが吹っ飛ぶかもしれない恐怖もついてきたりするので精神的に全然違いますよね。かたや再登となると、まあとりあえず人類(なのかと疑いたくなる場合もありますが…)に登れるケースが確認されてる状態からスタートできるのでその点ではすでに気楽ですし。

では登ってなくともエリアのドンのような方が決めるのかっていうとそれもまた違和感がありますね。
登った人の意見ですら状況や環境次第だというのに、それを又聞きしただけで判断するのはあまりにも曖昧な要素が多すぎますよね。

僕は、グレードはどれくらいに感じましたって先駆者たちの意見を加味しつつ、登った人たちが決めていけばいいのではないかと思ってます。
例えば簡単だと言われてる、所謂お買い得課題なんて呼ばれちゃってる三段を確かに簡単だなぁ確かになんて思いながら登っておいて、SNSとかでは三段登れました!って言い張るのは正直サムいと思うんです。
自分はこう感じたというものがあるのであればそう書いておく方がいいしその意見は価値あるものだと思うんです。
その意見がたくさん出てきて最も多い意見になった頃には多分それはグレード改定されてると思います。
その意見に、つまりは個人の感覚に対してあーだこーだめんどくさい事言ってくるやつは関わると面倒なタイプだと思うのでほっといていいです。

トポに書いてあるからそれが正しいだろ論者の世界線ではそもそもリグレードなんて起こるはずがないので、絶対的な情報源であるそのトポだけ見て登っててください。
甘くても辛くても、あなたの感覚はどうでも良くて絶対トポが正しいのですから。

俺はそれを○段だと思ってやってきたんだ論者は辛い方でも甘い方でもグレードに拘り過ぎではないでしょうか?
その課題を目指した時、グレードがそれだから登りたいと思ったのでしょうか?
登れたことにはかわりはないし、それが何段でもその時の頑張りはそれを登るだけの意味を持ったはずです。
もちろんグレードも要素ですし拘ってそれを追う楽しみ方もあると思います。しかし、そうであるならばなおさらそこに対してシビアであるべきなのではないでしょうか?

スタイルが違うとどうなるんだ?って疑問は尤もだと思います。
これもまた個人の意見なのですが他人にスタイルを強要することはできませんよね。普通に危ないし。
そうなると初登がノーマットで為され、四段とされたラインだとしてもおそらく最大多数はマットを敷いてやるわけです。
もちろん初登者の感覚より簡単に感じますよね?
仮に三段と感じたとしてこれは初登者を尊重するため初登時のグレードを据え置くべきでしょうか?
僕は改定するべきだと思います。
なぜなら、初登者のスタイルをもって四段となされたものにマット敷いて再登して四段だっていうほうが冒涜的な気がするからです。
では、最大多数の意見に沿うべきでしょう。
この文章はこっちを読んでから読み進めて頂きたいのですが仮にグレードダウンしたとしても、スタイルが優れている事はそれだけで価値があるし差異があることだと思うからです。

最後にこれは僕がいつも読ませて頂いてるブログからの引用なのですが

"初段といたします
〇〇さんも続いて完登
〇〇さんは1級って言ってた
どっちも正解
それでええやんてことにしないからグレードってやつはややこしくなる
どんなグレードが付いてても岩自体の形状が変わるわけでもないし
自分が達成したクライミングの価値も不変なわけで"

まさにこのように感じます。
別に、いくつでもいいんです感じたように言えば。
それがいつかそれっぽい答えの為に役立つから。

さてここまで主に岩について述べてきましたが、ジムにもありますよねだいたい適正かなってグレードより明らかに甘いジム。

辛い方はそこがちょっと辛いってことさえ知ってれば、ジムの外に出て困ること特にないからまあ別にいいと思うんです。
下からやってくでしょうから、適切なところで落ちたりして適切なグレードで遊ぶでしょうし。

ただ適正であろうジムより2つも3つも離れて著しく甘いのは問題な気はします。
だいたいどこも全部で10分割くらいだと思いますが、それが適正と3つも(辛いとことだと4つとか!)離れてるとそもそもグレードというシステムが機能してないって時点でジムとしては既にある程度問題なんですが、他ジムであれ岩であれジムの外に行ったとき、初段なんて実力的にまだ登れないのに甘いジムでやってたら出来るものとして取り付きますよね。
普通に怪我です。
そうでなくてもあのジムは辛いだグレードがおかしいだと文句を言われたり、お買い得課題登って適正に感じてるが故、本人は意図せずサムいやつと思われてしまったり。。。

それがわかってて、その方が登れて気持ちいいからとかその方が集客がいいって意見とはもう根本的に合わないので、そ、そうですかー…といった感じですが、はてさてそんなこと初心者のうちはわかりませんよね。
肌感ですが半分以上のジムが適正らしいグレードより簡単な気がしてます。
つまり単純計算半分以上の初心者が甘いグレーディングを適正と感じているわけですね。
そうなると、そもそも感覚的で何なら僕の意見では最大多数が納得することを目指すべきなグレードってもの自体が、全体的にズレてきちゃったりしますよね。
もはやシステムの崩壊ですね。

例えば、一級が登れたら嬉しいです。
でもそれはそれ登るのに苦労したからで、その苦労をした人だけが登れるからです。
難しい課題登れる人が少ないのは当たり前のことで、それが目標だったはずなのにゴールポストをジムが客を喜ばすために動かしてどーすんねんとは思います。
それに喜んで群がる客側もまたサムいなぁとは思いますが簡単な課題のほうがウケるのであれば、簡単な課題の本数を増やせばいいわけで何もグレードをイジる必要なんか無い気はします。
まあクライミングジムなのであればクライミング業界の一般的なグレードには近づける努力はあって然るべきな気はしますよね。
飲み屋にあるダーツ台ですら立ち位置が示してあるんですから。


ま、どっちも僕がこんなクソ長い文章を書いたところで大して読まれるわけでもないのでしょうが、今のところ僕はこう思ってますって話でした。


全部読んでくれたあなたには最後にこちらで癒やしを。

2022年11月26日土曜日

四国での数日。後編

さて、先の続きで翌日のお話です。
西之川へ。
しかし朝は結露でベタベタなので、同じ車だった生萌さんととりあえずメインのエリアへ。
アップがてら樋口兄さんが暗がりのベタベタを抜けていったあいつへリベンジです。
明るけりゃなんてことはなく、皺は見えるんですが、明るくても全然悪くてしっかり困ってなんとかかんとか岩の上に。
たぶん忖度して待っててくれた生萌さんも岩の上に。

名もしれぬ、多分過去に誰か登ってるしかし素敵なラインでした。

さて合流しますか!ってとこからまたしても合流に手間取り、みんなのもとにたどり着いたらなんかある程度終わらせてたので一本だけ一緒に。
初めましてのトニーさん、堀さん、マーシー、とスラブのような垂壁のような絶妙な傾斜でセッションでした。
なんだか上が難しく、ハマってたら堀さんが一抜け。
直後にまぁまぁ寒いのに短パンなハネスがすっとやってきてさっと一撃し、みんな衝撃。
名は短パン小僧となりました。
写真撮り忘れたけどトニーさんのインスタに画像があります。


みんなが先に終わらせた刹那とか見に行くとみほーとおミクが頑張ってたので暫く参戦。
それなりにやったのにみんな揃ってできません。
そろそろ時間が迫ってきたので再戦を誓って戦略的敗退です。

さてやっと、かのPへ。
生萌さんを岡山空港へ送り届けるミッションがあったので30分間短期決戦です。
いや、決戦というか小競り合いにしかなりませんでした。
でもこの日、マーシーとれいくんにより下部に革命的なシークエンスが発見され一気に現実味を帯びてきました。
僕らが撤収したあと、れいくんが特攻隊長して
マジでとんでもないことになった(ちゃんと無傷なの偉すぎだし、ハネスとかいちゃんはベスト・オブ肉の壁賞あげたい)って動画も見せてもらい、上部の自分の想定は封印することに決めたのも大きな選択でした。

オンタイムで岡山空港に送り届けて慌ただしく四国滞在は終わりました。

その2日後。
れいくんの動画を眺めてたら閃いた事を試したくなって、ゆーじとケンティーにご連絡。
ついこないだ西条行ったけど西条行こうよっ誘ったらゆーじはそれなりに前向き。
渋るけんちゃんはチョロいので言葉巧みに連れ出すことに成功し、11時前に柊の岩に到着です。

路面状況的にどう見てもこれより上はまだ結露でビタビタだし、アップがてらやってきますかってことでまずはつとむ君から。
なんとなく裸足でノーマットでチョークも付けずにおもむろに取り付いたらびっくりするくらいぬめって吹っ飛びケツから着地する始末。
舐めたらいかんですな危ない危ない。

隣のクラックも登れそうな見た目なのでちょっと触ってみますかって事でちょっかいかけてみると、めちゃくちゃ絶妙なシークエンスが発見され、現実味が一気にアップ。
そのまま下からやったら何度目かで岩の上に出ました。
おいてたカメラの角度が変わっちまって全然わけわかんない上部しか写ってなかったので見にくいけどここがキーポイント

変なカチを変な角度で持つと変な向きに変なジャミングみたいなのが効き、なんでか理解できないまま謎に動けるっていう謎な感じ。
言語化出来ないから体感してみてほしいです。

けんちゃんの抜けが
完全にオットセイだったのでオットセイになりかけましたが色々あって紅葉としました。
色々ってのは後ほど。

更に隣になんかありそうなラインが見えまして
下地がないからとりあえず土木工事。
完成品がこちら。
一気にいけそうな雰囲気ですね。
とか言ってた初期工事の作品は頼りないやつをゆーじがバキッって踏み抜いて即座に復旧工事。
もう完全な大地が出来上がり、安心してトライです。
ビビって出せなかった一手
えいや
思いっきり出せます。

おかげさまでこちらも岩の上へ。

この岩で一番好きなラインはこれになりました。
またしてもけんちゃんが
ウホッと落ちてきたりするから名前はウホになりかけましたが、ここで一つ頭を過ります。

こんないいラインどう考えても登られてたら有名なはず。なんだけど、一つだけそれ以外の可能性があるんです。
それは初登が指男さんだった場合。
しかもあの方かっこいいの見逃してることのほうが少ないんです。
一応聞いとくかーと思ってご連絡したら"おー、懐かしい!いいラインだよね~"とのこと。
ですよねぇー!!!!!
というわけで名前は指男さんにお願いし、こちらは南天となりました。

初登なら南天のラインに紅葉としようと思ってたんですが紅葉があまり、オットセイとウホが押し出された形ですね。
まあ結果的にいい感じになったのかしら?

さてさて思ったよりずっと楽しんでしまい、やっとあいつの元へ。
ついたときはベストコンディション
ロープ張って試したかった動きをやってみると、完璧にハマって下から来てもこれならなんとか行けそう!
しかしあーだこーだやってるうちに湿気で岩がベタついてきました。
暗闇も迫ってきます。
惜しいトライが何度があり、これで本日ラストのトライ
最高高度を更新するも、ベタベタ過ぎてちょっと押しきれず、逡巡の末断念の降りるという選択。
無念。。。。

解決した嬉しさと決めきれない弱さが渦巻いてなんとも言い難い気持ちで鳥取へ帰りました。

更にその翌々日11月22日です。
ワッキーさんにあいつを倒すのに付き合ってくださいとご連絡したところ、夜勤明けだというのに快く受け入れてくださり、またしても橋を渡りました。
夕方から天気が崩れそうではありましたが今回はあいつだけ登れたらいいんです。
どうせ朝行ったってベタベタだしもうほかの課題なんか触らず直接一番いいタイミングで現地入りしてやるぞと思い現着は正午前。

路面的にはまだ湿ってそうだったけど先について状況を確認しに行ってくださってたワッキーさんから謎にホールドは乾いてたぞ!って嬉しい情報をもらい、喜々としてすべてのマットを道から川へ放り投げます。
まずはロープを張り掃除と状態の確認。
キレイキレイして、触ってみると全然大丈夫そうなコンディションで気分が上がります。
全部のホールドきれいにして、マット並べて、カメラも置いて、一服して、いざ。

実はこのあたりアップに程よい課題がなくアップはスタートに数秒ぶら下がってみたりしただけなんですが、このときは謎にいけると思えてました。出来たことをこなすだけだと。

おもむろに取り付いたら身体がちゃんとやりたいことをしてくれます。
そのままリップへ。ほんの少し、パンプを感じたけれどまだ大丈夫で、リードしててよかった…なんて思ってました。
マントルはもう落ちられません。
落ちられないんだけどそう思ったら急に手が悴んできて、足も滑ったりして少し不安定に。
でも心の冷静な部分がちゃんと修正してくれて、気付けば岩の上にいました。


声を出すこともなく、派手な動きがあるわけでもなく、まして今日に限っては落ちることもなく。
集中できていたからでしょうか?
完全に自動化してるような感じでした。喜びも安堵もすぐにはやってこず、岩の下に戻りワッキーさんが拳を差し出してくださったときにやっとあー登れたんだなぁといった気持ちでした。

正直、スタイルなんか気にできませんでした。
ロープを張って掃除して、ぶら下がってバラし、脚立を立ててホールドを触り、人様のマットまで借りて、できること全部やってやっと登れました。
こんなにかっこいいラインをスタイルまで美しく登れたらどれだけかっこ良かったでしょうか?
しかし今の僕にはそれに足るだけの強さは無く、我ながら無様なものだったと思います。

でもやっぱり登りたくて、でもやっぱり嬉しいんです。
いつかまたこんな課題に出会ったときに、少しでもシンプルに登れるようにもっと精進しなければと思わせてくれる課題でした。

名前は、色々悩みました。
この課題に色々思いを馳せた事から手記とか、向けた気持ちから執心とか執着とか。
れいくんのことを肉の壁として護ったハネスとれいくんの絆から川又ハネスとか。
でも、としたいとおもいます。
ここに集まった人たちがいたから、形になったものでこれからもここにたくさんの人が集うように。
トニーさん、マーシーご紹介ありがとうございました。
一緒にトライしてくれた皆さん、たくさんの気付きをありがとうございました。
そして何よりワッキーさん、ほんとにありがとうございました。

グレードについては正直もうよくわからなくなってしまいました。
でも多分4段くらいはあるんじゃないかと思います。
よくわかんないので再登したら感想教えてください。
とにかく記憶に残る一本になりました。


すっかり今日のやることを終え、あとはもうなんでもいいやってなったけどグレードわからないならおんなじくらいのやってみる?ってことでワッキーさんに案内してもらったのは最奥にある課題。
サクッと終わるかと思ったらめちゃくちゃヌメるし普通に悪しいガッツリハマって結局ちゃんと本気のクライミング。
ヒーヒー言いながら上部いったら全部ベタベタでもう動けなくなり墜落。
ねえ上はいいもんでしょこういうのは!
あわや敗退まで追い詰められましたが意地の完登です。
狼狽グレードでいうと三段くらいなのかも。
流石にベタベタ極めてたのであれだけどもうちょい状態で変わりそう。

いい加減何も登れそうにない状態なったのでガヤに徹します。
色々見て回ったり、ワッキーさんにあることないことアドバイスしたりしてたら日が暮れてきたので解散し、鳥取に車を向けました。

車に乗った瞬間クタクタのヘトヘトになって、3時間ちょいの道のりに6時間くらいかかったのはここだけの話。

さて、次はいつ行けるかなぁ…

四国での数日。前編

CJCの前日にちょっとはやく西条に行き、なんなら少し通り過ぎて、かのPのもとへ。
残念ながらこのラインに対してグラウンドアップなんて今の僕の実力では到底挑めないので、ロープ張って一人静かに上の掃除をごしごしとしながら今までやっべーなんて言いながらただ眺めてたラインを、初めて真剣に登るにはって方向で考えてみてみました。

ふと、こんなとこで人の声がした気がして上を見上げると、道からマーシーとワッキーさんがこちらに手を振ってて、思ってもみない仲間の登場に掃除もさっさと終わり、きた瞬間ロープにぶら下がったマーシーとああでもないこうでもない言うてたらやっとそれらしきシークエンスが見えてきました。
リップ取ったとこからですが。

さて、じゃあリップまではどうなんだと。
2人してバインバイン落ちながらいろいろ試しているとそれとなく見えてきた二通りのどちらかが現実味がありそうな感じです。
とりあえずってことで”確かに簡略化されてるけどそこで落ちたらホントにヤバい一手がある方”のシークエンスで上部をバラして、できるかどうかで言うと出来なくはないねってとこまでやって下部に移ります。

下部は僕はてんで駄目でマーシーがあと少しでって感じだったのですが、こなせたとしてそのままあの上部突入したら死んでしまうと思った僕はいっそ新しい方法を模索してみることに。
なんとなく可能性のありそうな事をやってたらだんだん確立されてきてもう少しってとこで可能性のカギだったホールドが弾けてしまいました。
確認してみると僕の感想はちょっと悪くなったけどまあできるのでよしといった感じ、一方マーシーの感想はあれ、ちょっと良くなった?って感じでじゃそんな変わんないのかって結論。
ドカ落ちして後頭部を強打し大たんこぶができたくらいにでタイムリミットで初日は終わりとなりました。

帰り道が美しかった。

翌日はCJCの予選でしたがものの見事にコテンパンにされ途方に暮れつつ、癒しを求めてまた西之川へ。
ひぐ兄さん、通谷君とともにオロナマントルのとこへ。
とりあえずなかなか再登をきかないテニヒザから案内したらカヨタニ君が瞬殺していきました。
えぐ、、、、
ほんでどのくらいかねなんて尋ねたら
"んー二段とか?"
待て待てバカバカさすがにそんな、、、
とか思ってたら、僕より先にひぐ兄がんなわけあるかいと言ってくれたので一安心。
まあそんな兄貴もその後すぐ抜けていき三段でええんちゃうかなってとこに落ち着きました。

さてさて、お次はオロナマントル。
暗闇が迫る中、は?ってなってる二人にちょこっとアドバイスしたら割とあっさり。

時間はないんだけどもう一つ左が気になりみんなでやってみることに。
もう結露でにゅるにゅるだし、かなり暗くなり二手目の皺がどれだか分かんなくなるくらいのタイミングで兄貴が兄貴たる所以を見せつけ岩の上へ。
直後にカヨタニ君も続きぼくはにゅるにゅるにびびって敗退でした。
またやんないとだな。。。

決勝は応援して、大会後の翌日は
この大所帯。
れいくん、ほりさん、かいちゃん、手塚さん、みほー、おみく、ハネス、セルジオ、マーシーの後輩君でマーシー案内の元、これまた再登を聞かない千里へ。
たどり着いた千里は当時よりほんの少し小さく見え、これ登ってからもう6年も経ってる事に衝撃を感じつつ、僕はゆっくり始めようと千里の隣のお岩へ。

女の子たち?とセルジオともに
千里の左の岩でアップがてら
裸足でいいやろとか思ってたらちゃんと悪くてこれたぶん二段くらい。
後で調べたらハタヤンパイセンのFAでアヴェイルみたいですね

岩の上に立った頃には向こうで
熱いセッションが開催されてたので呼び寄せられて眺めてたらなんだか千里から左に派生するラインが見えてきました。
良さげ!!!!
まだ半信半疑でとりあえず裸足でやってたら、なにか取りに行くと車に戻ったマーシーが僕の靴も持ってきてくれたのでこれはやるしかないとやる気モードに。

靴はくと一気にできそうな感じになってきて、何回してたら岩の上に。
派生ではありますがいいラインだったので、どなたかやってみてください。
トライ中のかいちゃん
トライ中のハネス
多分初登なので千里と姉妹感を出して千尋で。
タイプ違うからなんとも言い難いですが千里よりちょっと悪いかな?
とりあえず三段で。残念なことに動画謎に止まってて撮れなかったけどかっこいいと思います!
昔は見えなかったラインを感じ、登るることができて、小さく静かな成長を感じることができたのはよかったです。

れいくんとハネスもすぐ再登してくれたりなんかして移動ってタイミングでなんか遠くにめちゃくちゃ良さげなやつが目に入り、れいくんに無理言って付き合ってもらいました。

良さげなやつその1は30分間一手目を止めることもできず首を傾げつつ敗退し良さげなやつその2へ。
こちらはチョークも付いてるし、明らかにいける見た目してるしなによりかっこいい!

二人とも疲れてもうギリギリのクライミングでしたがなんとかかんとか二人とも岩の上に。

後で確認したらワッキー先輩のという課題でした。
これもめちゃくちゃいいライン!!
初段とのことでしたが、流石に初段ってことはないです絶対二段はあります!!ってワッキーさんに力説してじゃあそのくらいかなぁのお言葉を頂きました。
まあとにかくいい課題なのでおすすめ。

さてみんなを追いかけたけど、どこにいるんだかわからなくなり、ピンチブラザーズで合流したときには暗闇が目前に。
ってことでここからは応援に徹しました。
生萌とセルジオが迫るタイムリミットに追い詰められながらちゃんと完登してて偉かった。
特にセルジオは日本ラストのトライで完登しててとっても偉かった。

新居浜のエアビにお邪魔して、この日は終わりです。

後編へ

2022年11月24日木曜日

またまた久々です。

日々が過ぎ去ってゆきますが、なんとかぼちぼち岩も行ってます。

残念なことに大した成果もないのが更新のない理由です。

とりあえず、少し昔の話から足早に今へ時間進めることとします。

直近の更新から暫くの間は、コンペの人になってました。
僕は頑張れてたのでしょうか?全く足りてなかったのでしょうか?
あと少しがずっとうまくいかない一年で、悩ましい葛藤を抱えたまま駆け抜けたシーズンもおわり、反省や後悔とともにやっとふと一息つけるくらい落ち着いた頃、やっと岩に行くチャンスにありつきました。

9月はじめの、秋口の心地よい陽気にそろそろ岩に行きたいなと思っていたところに土肥君からお誘をいいただいて即決でお初のエリア野猿谷へ。

ゆっくり集合でゆっくり出発、ゆったりと到着したこの時点でもう完全にエンクラ感丸出しでしたが、いざ岩を触ってみると謎に湿り加減でさらにエンクラ感が加速します。

このあたり経験者の土肥案内人により、とりあえずやってみろということで

一つ目はこちら。
ふわっと取り付き、ふわっと着地しあっさりオンサイトは失敗
ですよね~みたいな感想を案内人からいただきしょぼくれた顔で登りました。
ベルベットモンキーおもしろい!

振り返ったとこにある課題もおさわり。
初段と三段らしいんですがどっちもしっかりすっかり悪そうで見た目じゃわからんし、怖くなさそうな高くない方からやることに。

あーやっぱり悪いわ…
見た目通りちゃんと悪いわ…
なんて言いつつ登ったときの記憶がどこかに吹き飛んでわかんねーの顔の案内人とれいくんと力を合わせて下部を解決し、上部突入したら上も全然悪いしぬめぬめだしかなりギリギリの登りでなんとか岩の上に。
ほんでガーリーさなさすぎなモンキーガールでした。
ぬめぬめは勘弁…

お隣の高くて怖そうな方は高くて怖そうな上を意識してたらこっちもまず下部が悪くてひーこらひーこら。
結局痛いのを我慢して頑張って持つと出来るらしいのでギャーギャー言いながらとりあえず下部こなしたらこっちもちゃんと上が悪くて結局登ったときの記憶がどこかに吹き飛んでちゃんと落ちてる案内人が見つけてくれたキーホールドのおかげで登れました。
モンキーボーイ初段なんすかこれ????

一段落して辺りを見て回るとかっこよさげなやつが総じてマントルが悪そうで、全会一致のこれは今日じゃない判定によりそそくさと尻尾を巻いて転進です。

先日石松パイセンが動画であげてたのをやってみようぜってことでちょっと上流へ。
たどり着くと程よい高さでいい感じ。
波状攻撃を仕掛けてると、頑張って左に行っちゃってホールドが見当たらなくなり動けなくなるか、頑張って右に行っちゃって足が上げられず動けなくなるかの二択に。
いや、ほな無理やん!!!!
あとは信じる可能性の確率の問題で、僕は保守的に持てるもの持ってたい右派、どひけーはお手々のリベラルさを求める左派
程よくどちらもこなせるれいくんはどっちもやってみる中道な政策のもとそれぞれ撃沈し、さしずめコケ猿の思う壺といった雰囲気で帰路につきました。

帰りがけに見つけた絶対やばそうな初段

どのへんが初段なんだかよくわからない見た目の厳つさだけどかっこいいのでいつかやりたい所存です。

なんとも絶妙な感じで都内に戻ってきたので、登り行くか!ってただのノリでジムに行き、なんとなくヒートアップしてれいくんは終電を逃し、ほな登るかってヒートアップしたテンションのまま気付けば2時すぎ。
さ、さすがに。。。。ってことで退散してこの日は終わりました。
なんだかんだ楽しかったなー、お誘いありがとう!
翌日は指先がずっと痛かったけれど。


時は進んで10月半ばです。
この日はなんとなく新しい場所に行ってみたい気分で、絶妙な天気予報とにらめっこして選んだのは赤城!!
…だったのですが、エリアの麓まではギリ耐えてる曇空なのに


エリアに入った瞬間ちゃんと雨が降ってきて目前にして触ることも許されず敗走でした。
んで麓まで戻るとちゃんと曇りなんですよね。
なんか悪い事したかな??

途方に暮れて、このあたりにめっぽう強いウマ娘のトレーナーに連絡したところ、教えてくれたのは榛名山のボルダーでした。
なんかよくわかんなくて迷いつつ

絶対やばそうなところは回避しつつ

やっとたどり着いたら辛うじて登れそうな雰囲気です。
湿気はここもやばいけど。

ともかくやっと岩に触れたのでまずは目についた高くて良さげなやつから

後に調べたところ名もなき1級とのことですがこういうのはグレードじゃないと思うのです。
僕は落ちずに登り切る自信を持てるほどの強さがなくマット使ってしまいました。
でもたしかにノーマットで登られてる方もいらっしゃるんです。
ノーマットなのか10枚あんのか、初登なのか登れるものだと知っているのか、はたまたグラウンドアップなのか確認済みなのか、ソロなのかパーティーなのか、晴れなのか雪なのか。
グレードなんてそんなもんなんだと思います。
まあ、これは気が向いたら別で書いてみようかしら。

そんなことはさておき、自然に還って脆そうに見えてたホールドたちも意外に丈夫で

とっても良い課題でした。

足元に先人たちの足跡。

左に回ってかっこいいのもやることに
こねくり回してかたまった動きは
ここ外すと
吹っ飛んで
こんなとこまで
待ってくれよ怖すぎ
しかも次は出すしかない一手って感じの見た目です。

どうしようもないので、だしてみたらできました。
イシャンゴの骨はスタンドからみたいですね。
SDってことで。これもまた良い課題でした。

反対の方にも回って千杖
ビタビタの三眼六臂もやって最後にどうみてもやばそうな金剛眺めたりなんかして撤収。
千杖直上はわかるけど、三眼六臂直上はよくわかんなかったな。
いつかやりに来ます金剛。

帰りは伊香保温泉によって雰囲気だけたのしんでかえりました。
良いとこだ。


2022年3月2日水曜日

やってなかったシリーズ。

2月の暮れに橋を渡りました。
今回は西之川へ、バースデー迎えたてのそーじろうさんとショウさんと朝はまさかの5:30発
早いよ…ギリ夜だよまだ…

なんだかんだ話してたら順調にエリア周辺で時間はまさかの8:30です。
時間はたっぷりあるしなんか気になるみたいなところを覗きながらメインの辺に向かいます。
結局これといったものは見つからず、まぁ岩探しってこんなもんよなって話になりました。

そんなこんなで10:00くらいにメインの辺りに到着すると、ほぼ同時にお声をかけさせて貰ってたワッキーさんも到着で、一緒に河原へ降ります。

最後に来たのは記憶の彼方で、もはや新鮮ささえ感じるのでアップがてら一通り見て回って
ちょこっとやってみたりしつつ

ニューバランスでは太刀打ちできなかったこいつにシューズを持ち出します。
一本目から指をしっかり使う感じでみんなそれなりに苦戦しましたが、面白かった!
せっかくなので左端もやって、お次へ。

やってなかった課題をやります。
昔見たときはデカくて悪そうなイメージだったけどこう改めて見てみるとピースフルなサイズに良さげなホールドにこれはサクッといけちゃうんじゃないか?なんての気持ちを胸に取り付きます。
が、あっさり落とされて幻想だったことに気付きました。
マントルめっちゃ悪いじゃん!
右に逃げんのは逃げすぎだしやっぱりまっすぐ行きたいよねと話してたんですがいざ到達してみるとここが持てますよーみたいな主張をしてるやつがいないんです。
眺め直してみるとそれっぽいのがいまして、あいつかなぁなんて話してるとワッキーさんもそいつを使ったとか。やっぱあいつだったか!って確信を胸に再びやってみますが、壁に入ると何が何やらわかんなくなる現象でさっき見つけたそれっぽいのがいなくなりました。
は?どこいった!?!?と混迷を極めて降りると降りた瞬間そこに現れます。誑かされてる完全に。
何度かやって、やっと捕まえ
登れました天空
このあたりにそれっぽいあいつがいます。

お次はエリア名にもなってる課題をやってみることに。
マントル一発で初段って時点でお察しですがとりあえず取り付きますが、そもそもマントルの体勢に入れない始末。
嫌な予感は的中し雲行きが怪しいですが、これはみんなでやってるのでどんどん意見が出てきます。
あーだこーだやってると良さげな方法を見つけ、こうじゃないですかって共有したらそーじろうさんが形にしてくれました。
いや、そんなすぐ出来んの?強すぎでは?
おいてかれないように必死こいて
返せましたオロナマントル
こちらも面白かったです。

すぐ近くに気になるラインがあったのでこちらもお触り。
SDから繋がってるように見えるんですがめちゃくちゃに悪くて僕らじゃ歯が立たずお茶を濁してとりあえず立ちから。
スタートのそーじろうさんと、見守るショウさん。
これだとそんなに悪くなく、2級とかでしょうか?
すっきりしたいいラインでした。名前は何なんだろう?ご存知の方教えてください!SDはまたいつか取り組んでみようかな。

さてマットを少し拝借して少し上流の、こちらもやってなかった課題へ。
ボケっと眺めてたらチョークが川へ転がり落ちて悲しい気持ちになりましたが、気を取り直しボフッと散った残滓をかき集めてトライします。
一手一手悪く、やり直すたびにだんだんと持ちどころがわかってくるというめちゃくちゃ秀逸な課題!
香月でした。
グレードに関しては、やっていくうちに良い足が見つかるし持ちどころもわかってくるし、初登時(ハマケンさんお借りしました!)から見ると下地もがっつり上がってる上に平らに均されだいぶピースフルになってまして、現状だと初段くらいなのではないでしょうか?
ともかくも痛いホールド全然出てこないし、右行っても左行っても面白いし、普段一回登れば満足するんですが楽しすぎて4回くらいやりました。
これは名作です。おすすめ!!

やっと満足してお次は謎と化した漆という課題へ。
とりあえず広大な水溜りに建築技術を駆使してマットを置ける状態にしてみるも
触れば触るほど謎は深まるばかりです。
こちらも、初登時(村岡さんお借りしました!)の貴重な記録を見てみるとそもそも岩の形状が全然違うんです。
さらに、トポを見てみるとどうやら課題は川に面してたようですがどう見てもそこにルーフは存在しません。
おそらくこの岩、今浮いてるところが昔は土の中で今埋もれてる方が浮いてたんじゃないかなということで僕の中で謎解きを終えました。
遠山川のアンバマイカの岩もそうですが、自然の力はほんとに偉大ですね。
登りたい課題を登れるうちに登り切る強さを持ってたいなとすごく思いました。

お次は振り返ったとこにある岩に惹かれたのでマットを並べてみることにしました。
スタートはここ!のワッキーさん
初手がバカわるで2手目も困っちゃうくらい悪いです。
四肢すべてが岩から離れ身体は落ちてるのに顔だけまだ登ってるそーじろうさん。
これは笑った。
そんなそーじろうさんが2手目を天才的なムーブと頑張ってる顔で解決してくれたので繋がりました。
テニヒザとします。
そしてそもそもこの岩に左に抜ける課題もあったらしいことをワッキーさんから聞いたので、こっちもやっときました紫雲SDてことで。

さてさてそーじろうさんがいい線いってて惜しい感じなのですぐ近くに見つけたラインを軽くお掃除してトライすることに。
簡単かと思ってたらしっかり悪くて困ってるうちにそーじろうさんがテニヒザを終わらせて合流。
スタートのそーじろうさん
この右手からの一手が難しいです。
二段くらい?気持ち良い課題だったのでやってみてください。
めちゃくちゃ苔だったけど誰か登ってるんでしょうかね?
こっちも情報お待ちしてます。

みんながこれやってる間に隣にも見出したけど、こっちはちゃんと敗退。
ツンツンです。
なんだか癪なのでまたやりたいですねこれも。

そんなこんなでもう谷に日が差さなくなってきた頃にやっと移動して、かっこいいやつを見学しにいきましたが、雰囲気を感じた程度で流石に帳が降りて夜が迫ってきたので撤収。
こちらは次回もうちょい触れたら嬉しいです。

ワッキーさんまたよろしくお願いします!

帰り道はそーじろうさんのハッピーバースデーをしながら鳥取へ。
また行きましょう!

2022年2月25日金曜日

明けまして、禊の時間。

ついにこのブログにも2022年が訪れました。
明けましておめでとうございます。
もう少し岩にも行きたいと思ってます。
是非、誘ってください!!!!

はてさて、あまりここでは触れてきませんでしたが、実はコンペにもよく出させて頂いてます。いつもシーズンの始まりはジャパンカップなんですが今年は二週連続でボルダー、リードが行われるという珍しいスケジュールでした。
今年は、リードのワールドカップにも出たいなと思い、結構リードの方に時間を振って練習しての参加でした。

リードの方に力を注いでやっていたとはいえそれなりにボルダーの方も調整して、それなりに調子の方も上がっていて、なんとなく予選はいける気がしていたのですが蓋を開けたら予選落ちで何なら順位は過去最低という始末。
さすがに落胆しましたが、落ち込んでいる時間もなかったのでひとまずリードに切り替えました。

そして迎えたリードの方、さすがに練習してきたし?とは思ったものの先週の失敗から大緊張でしたが予選の方はそこそこの順位で通過し、念願の2日目に繋ぐことができました。
ところがどっこいやっとここからだと意気込んで向かった翌日の準決勝、見事なまでに最下位のだんご(6人以外全員ここでした)に吸い込まれ敢え無く敗退となってしまいました。

何の様だこれはと。何をしているんだと。
なんだか言葉でうまく表現できない感情でしばらく過ごしていたのですが、そろそろシーズンに向けて気持ちも切り替えないとなと思い、リフレッシュを思い立ったというのがこの話の始まりです。


思い立ったら即行動派なので休みを迎えるや否や、目的地未定のまま車を動かしてました。
動き出したはいいものの全国各地寒波に見舞われていた日で広範囲で雪、そうでなくも極寒の雨とかで唯一無事そうなのは九州南部ですが2日間で鳥取から行って帰るにはあまりに遠く断念。
可能性があったのが、一日目の夕方のうちには雨の上がりそうな高知の海沿いでした。

そんなわけで今回はどうせ雨で急ぐ必要もなかったのでゆっくりと進みます。個人的に旅の楽しみとして下道を使うと、いろんなものに出会えるというのがあるので今回は高知あたりからとろとろと下道で。

考え事しつつ、景色を見つつ、ゆったりと進み須崎を越えたころにようやく雨が上がりまして、しかしホテルに行くにはまだ早い時間だったので久々に漁港に行ってみることに。
案の定そんなに寒くもなかったので久々に車に積んでた竿を出してみると入れ食い状態。
まあまあなサイズ。
随分と懐っこい野良猫が寄ってきていたので全て献上しておきました。
ここでは詳しく敷衍しませんがなんだかいろいろ考えさせられてしまい、撤収することに。
どうか、達者で。

四万十のホテルに宿泊して1日目が終了。
なんとこんなに書いたけれどここまで岩関係なし。

翌日は予報通り朝から晴れ、気象庁に感謝しつつエリアへ。
道中、わずかに何かが空から落ちてきてたりしたけど気象庁が晴れと言っているので晴れです!!

そんなこんなで現着。
一人かと思ってたら大阪から一組いらっしゃってて、ご一緒させて頂きました。
とりあえずトポを家に置いてきてしまったのでチラッと見せてもらったところ、どうやら右からだんだん強度が上がっていくらしいので右端から。
塩タタキ藁焼きタタキ落葉と順に楽しませて頂き、ついにメインディッシュだ!と一筋の道を。(ご存知の方はお気付きかと思われますがここで1本完全に忘れてます。)
なんかよくわかんないとこにチョークついてんな(むしろそっちが一筋の道です)と思いながらもシークエンスを組み立て、色々試してみるも結局これもこれも必要ないや(むしろそっちが・・・)といい感じに(よくないです)繋がったので、いざ。

空からなんだか白いひらひらが舞い落ちておりましたが、太陽は見えてるし何より気象庁が晴れと言っているので問題ないです。
多分危ないからなんですが、さきほど見せてもらったトポに明らかに話が違うのに同じ課題として記載されてた抜けの部分はジャパンカップの禊なのでもちろんかっこいい(そして怖い)方を。
ご一緒した方のマットもお借りして登りだしていざ到達してみるとちょっと日和っちゃうような高度感でしたが、なんとか抜けて岩の上。

一息ついて、次のに移動です。
そんでもって道中、やっと人の動画を見てみることにしたのですがなんか全然自分と違うしみんな同じシークエンス。
おかしいなと思ってトポ持ってる人に確認してみてもらうとこれは落葉と一筋の道の間の百年の孤独というラインでした。
納得。
バラしたときそっちも触ってたんですが、正直僕にはあんま強度変わんなくて、届かない人がこっち使ったのかなとおもってました笑
まあかっこいいし満足!
もしまた行くことがあれば一筋の道もやってみようかな??

それにしても一筋の道、動画を見る限り一人も上抜け(初登はこっち)してなくてなんか残念な気持ちになったのはここだけの話。
まあ何でもいいんだけど??

まあそんなことを考えてるうちに須崎まで戻ってきました。
ここはいまゆーにやってみて欲しいといわれてた課題があります。
一人ではお勧めしないとは言われたものの、こんなタイミングならやむなしかととりあえず行ってみることにしました。
踏み跡があるといわれたもののごく序盤に見失い、藪漕ぎする羽目に。
生い茂ってなくてよかった。。。
よりによって一人で三枚も運ぶというのにこんな道かよ。。。。
なんて悪態つきながら進んでくと
こ、これ降りるんすか?って坂か崖かきわどい所に出ました。
とてもじゃないけど背負って下りれないので、先に転がしたマットが小さく見えます。
クラッシュしたパッドって感じ。。。。

えっちらおっちら降りていき相対します。
これは、、、さっきとはレベチの高さで三枚だと極めて不安な出で立ち。
多分悪いのはまだ許容できる高さまでで、きっと上部はおそらくガバなんですが、今度は逆にそれが捥げてしまいそうでこれはどうしたものやら。
きっと上部じゃこれは気休め程度だろうななんておもいながらもとりあえずそれっぽいとこに並べて、とりあえずやってみることに。とりあえずね?

思ったよりすぐに悪そうな下部は突破できる目処が立ち、そこまで到達したらもうそこからは未知って2パートとなりました。
一回シューズを脱いで落ち着いてみます。
ひとまず、友人に現在地と2時間以内に連絡がなければちょっとあれかもって旨を伝えます。
携帯は岩がでかすぎて結構離れないと圏外なのでどっちみち大怪我したら役に立たないしもういっそ動画用に。
気持ちを整え、下からやってみると上の未知さにばかり意識が行き作ってたムーブと全然違うことして足がすっぽ抜けヒヤッと落ち。
これはいかんとまた少し靴を脱いでざわざわする気持ちを宥めます。

何分経ったか、やっといけそうな気持ちになり今度は落ち着いて動きを起こしていくとここから未知まですっと到達。
さてここからは捥げないものを選んで進むのみですが、使おうと思っていたとこがめちゃくちゃに軽い音を奏でててこれは怖すぎってことで早速現場処理。
やばそうに思ってたとこはもう少し先でそっと下を見るとまっすぐ岩盤でした。
これは、落ちられないなと。マットあっても落ちたくはない高さですが、それにしてもあっこに敷いたやつ誰?
気休め程度だとは思っていたけど気休めにすらならないパターンかよ。。。

たとえガバでも安心して荷重できないので全身に力を込めてじわじわ進み、長い長い数分を経て安心できるテラスっぽいとこに。
何度か踏もうと確かめた足がボリッといったりはしましたがここまでくればあとは。とおもっていました。
が、ここからすこし上がるのが怖い。
持てるけど、高いんです。もう、落ちたらどんだけ幸運でも怪我するし、とっても怖いんです。
これまた、ずいぶん長く感じた逡巡をの後、やっともう一段上がり、ほっと一息。
生きててよかった。

やっと終わったと思ったのも束の間でした。
もうこの高さから見下ろせば、どこもかしこもやばそうに見えて降りれなくなってしまいました。
どうしたものかと途方に暮れていたのですが、日まで暮れたらいよいよ終わりだし、このままではジリ貧なので降りるしかないし意を決して、欠けないこと、滑らないことを祈りつつましに見えたラインで下りました。
無事に地上に戻ってやっと安心です。背徳すごいラインでした。
降りも記録したかった笑
グレードはよくわかりません。簡単なのかもしれないです。でもここにはグレードじゃない何かがあると思います。いまゆーとは、別にもうグレードなんてどうでもいいんじゃないかって話でまとまりました。
興味を持った方、お怪我だけは気をつけて。

ここは、人が訪れるような、人目に触れるような場所ではないです。
なので掃除もそんなにきれいにはしてません。そもそも上部は無理でした。
次に誰がいつここを訪れるかわかりませんが、自然に還ってしまってないといいなと思います。

さて撤収。
荷物をまとめて

最後の核心です。
ちょっとずつマットを引っ張り上げ、下りの何倍??って時間をかけてなんとか藪まで戻ってきたら、帰りはちゃんと踏み跡が見え無事に生還!!

充実した気持ちで車を進め
一休み。
きれい


君たちは野良じゃなさそうね??

パーキングで出会った猫と戯れて家路です。
高速でホワイトアウトしたりしてもう一つ核心がありましたが無事に鳥取に戻りこれを書いてます。

実は誕生日でした。
禊を経てどうやらまだ生きていていいみたいなので、27歳も精一杯頑張ろうと思います。

遅くなりましたが本年もよろしくお願いいたします!!