2022年11月26日土曜日

四国での数日。後編

さて、先の続きで翌日のお話です。
西之川へ。
しかし朝は結露でベタベタなので、同じ車だった生萌さんととりあえずメインのエリアへ。
アップがてら樋口兄さんが暗がりのベタベタを抜けていったあいつへリベンジです。
明るけりゃなんてことはなく、皺は見えるんですが、明るくても全然悪くてしっかり困ってなんとかかんとか岩の上に。
たぶん忖度して待っててくれた生萌さんも岩の上に。

名もしれぬ、多分過去に誰か登ってるしかし素敵なラインでした。

さて合流しますか!ってとこからまたしても合流に手間取り、みんなのもとにたどり着いたらなんかある程度終わらせてたので一本だけ一緒に。
初めましてのトニーさん、堀さん、マーシー、とスラブのような垂壁のような絶妙な傾斜でセッションでした。
なんだか上が難しく、ハマってたら堀さんが一抜け。
直後にまぁまぁ寒いのに短パンなハネスがすっとやってきてさっと一撃し、みんな衝撃。
名は短パン小僧となりました。
写真撮り忘れたけどトニーさんのインスタに画像があります。


みんなが先に終わらせた刹那とか見に行くとみほーとおミクが頑張ってたので暫く参戦。
それなりにやったのにみんな揃ってできません。
そろそろ時間が迫ってきたので再戦を誓って戦略的敗退です。

さてやっと、かのPへ。
生萌さんを岡山空港へ送り届けるミッションがあったので30分間短期決戦です。
いや、決戦というか小競り合いにしかなりませんでした。
でもこの日、マーシーとれいくんにより下部に革命的なシークエンスが発見され一気に現実味を帯びてきました。
僕らが撤収したあと、れいくんが特攻隊長して
マジでとんでもないことになった(ちゃんと無傷なの偉すぎだし、ハネスとかいちゃんはベスト・オブ肉の壁賞あげたい)って動画も見せてもらい、上部の自分の想定は封印することに決めたのも大きな選択でした。

オンタイムで岡山空港に送り届けて慌ただしく四国滞在は終わりました。

その2日後。
れいくんの動画を眺めてたら閃いた事を試したくなって、ゆーじとケンティーにご連絡。
ついこないだ西条行ったけど西条行こうよっ誘ったらゆーじはそれなりに前向き。
渋るけんちゃんはチョロいので言葉巧みに連れ出すことに成功し、11時前に柊の岩に到着です。

路面状況的にどう見てもこれより上はまだ結露でビタビタだし、アップがてらやってきますかってことでまずはつとむ君から。
なんとなく裸足でノーマットでチョークも付けずにおもむろに取り付いたらびっくりするくらいぬめって吹っ飛びケツから着地する始末。
舐めたらいかんですな危ない危ない。

隣のクラックも登れそうな見た目なのでちょっと触ってみますかって事でちょっかいかけてみると、めちゃくちゃ絶妙なシークエンスが発見され、現実味が一気にアップ。
そのまま下からやったら何度目かで岩の上に出ました。
おいてたカメラの角度が変わっちまって全然わけわかんない上部しか写ってなかったので見にくいけどここがキーポイント

変なカチを変な角度で持つと変な向きに変なジャミングみたいなのが効き、なんでか理解できないまま謎に動けるっていう謎な感じ。
言語化出来ないから体感してみてほしいです。

けんちゃんの抜けが
完全にオットセイだったのでオットセイになりかけましたが色々あって紅葉としました。
色々ってのは後ほど。

更に隣になんかありそうなラインが見えまして
下地がないからとりあえず土木工事。
完成品がこちら。
一気にいけそうな雰囲気ですね。
とか言ってた初期工事の作品は頼りないやつをゆーじがバキッって踏み抜いて即座に復旧工事。
もう完全な大地が出来上がり、安心してトライです。
ビビって出せなかった一手
えいや
思いっきり出せます。

おかげさまでこちらも岩の上へ。

この岩で一番好きなラインはこれになりました。
またしてもけんちゃんが
ウホッと落ちてきたりするから名前はウホになりかけましたが、ここで一つ頭を過ります。

こんないいラインどう考えても登られてたら有名なはず。なんだけど、一つだけそれ以外の可能性があるんです。
それは初登が指男さんだった場合。
しかもあの方かっこいいの見逃してることのほうが少ないんです。
一応聞いとくかーと思ってご連絡したら"おー、懐かしい!いいラインだよね~"とのこと。
ですよねぇー!!!!!
というわけで名前は指男さんにお願いし、こちらは南天となりました。

初登なら南天のラインに紅葉としようと思ってたんですが紅葉があまり、オットセイとウホが押し出された形ですね。
まあ結果的にいい感じになったのかしら?

さてさて思ったよりずっと楽しんでしまい、やっとあいつの元へ。
ついたときはベストコンディション
ロープ張って試したかった動きをやってみると、完璧にハマって下から来てもこれならなんとか行けそう!
しかしあーだこーだやってるうちに湿気で岩がベタついてきました。
暗闇も迫ってきます。
惜しいトライが何度があり、これで本日ラストのトライ
最高高度を更新するも、ベタベタ過ぎてちょっと押しきれず、逡巡の末断念の降りるという選択。
無念。。。。

解決した嬉しさと決めきれない弱さが渦巻いてなんとも言い難い気持ちで鳥取へ帰りました。

更にその翌々日11月22日です。
ワッキーさんにあいつを倒すのに付き合ってくださいとご連絡したところ、夜勤明けだというのに快く受け入れてくださり、またしても橋を渡りました。
夕方から天気が崩れそうではありましたが今回はあいつだけ登れたらいいんです。
どうせ朝行ったってベタベタだしもうほかの課題なんか触らず直接一番いいタイミングで現地入りしてやるぞと思い現着は正午前。

路面的にはまだ湿ってそうだったけど先について状況を確認しに行ってくださってたワッキーさんから謎にホールドは乾いてたぞ!って嬉しい情報をもらい、喜々としてすべてのマットを道から川へ放り投げます。
まずはロープを張り掃除と状態の確認。
キレイキレイして、触ってみると全然大丈夫そうなコンディションで気分が上がります。
全部のホールドきれいにして、マット並べて、カメラも置いて、一服して、いざ。

実はこのあたりアップに程よい課題がなくアップはスタートに数秒ぶら下がってみたりしただけなんですが、このときは謎にいけると思えてました。出来たことをこなすだけだと。

おもむろに取り付いたら身体がちゃんとやりたいことをしてくれます。
そのままリップへ。ほんの少し、パンプを感じたけれどまだ大丈夫で、リードしててよかった…なんて思ってました。
マントルはもう落ちられません。
落ちられないんだけどそう思ったら急に手が悴んできて、足も滑ったりして少し不安定に。
でも心の冷静な部分がちゃんと修正してくれて、気付けば岩の上にいました。


声を出すこともなく、派手な動きがあるわけでもなく、まして今日に限っては落ちることもなく。
集中できていたからでしょうか?
完全に自動化してるような感じでした。喜びも安堵もすぐにはやってこず、岩の下に戻りワッキーさんが拳を差し出してくださったときにやっとあー登れたんだなぁといった気持ちでした。

正直、スタイルなんか気にできませんでした。
ロープを張って掃除して、ぶら下がってバラし、脚立を立ててホールドを触り、人様のマットまで借りて、できること全部やってやっと登れました。
こんなにかっこいいラインをスタイルまで美しく登れたらどれだけかっこ良かったでしょうか?
しかし今の僕にはそれに足るだけの強さは無く、我ながら無様なものだったと思います。

でもやっぱり登りたくて、でもやっぱり嬉しいんです。
いつかまたこんな課題に出会ったときに、少しでもシンプルに登れるようにもっと精進しなければと思わせてくれる課題でした。

名前は、色々悩みました。
この課題に色々思いを馳せた事から手記とか、向けた気持ちから執心とか執着とか。
れいくんのことを肉の壁として護ったハネスとれいくんの絆から川又ハネスとか。
でも、としたいとおもいます。
ここに集まった人たちがいたから、形になったものでこれからもここにたくさんの人が集うように。
トニーさん、マーシーご紹介ありがとうございました。
一緒にトライしてくれた皆さん、たくさんの気付きをありがとうございました。
そして何よりワッキーさん、ほんとにありがとうございました。

グレードについては正直もうよくわからなくなってしまいました。
でも多分4段くらいはあるんじゃないかと思います。
よくわかんないので再登したら感想教えてください。
とにかく記憶に残る一本になりました。


すっかり今日のやることを終え、あとはもうなんでもいいやってなったけどグレードわからないならおんなじくらいのやってみる?ってことでワッキーさんに案内してもらったのは最奥にある課題。
サクッと終わるかと思ったらめちゃくちゃヌメるし普通に悪しいガッツリハマって結局ちゃんと本気のクライミング。
ヒーヒー言いながら上部いったら全部ベタベタでもう動けなくなり墜落。
ねえ上はいいもんでしょこういうのは!
あわや敗退まで追い詰められましたが意地の完登です。
狼狽グレードでいうと三段くらいなのかも。
流石にベタベタ極めてたのであれだけどもうちょい状態で変わりそう。

いい加減何も登れそうにない状態なったのでガヤに徹します。
色々見て回ったり、ワッキーさんにあることないことアドバイスしたりしてたら日が暮れてきたので解散し、鳥取に車を向けました。

車に乗った瞬間クタクタのヘトヘトになって、3時間ちょいの道のりに6時間くらいかかったのはここだけの話。

さて、次はいつ行けるかなぁ…

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